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2016年3月 8日 (火)

野菜の学校(2) 神宮は「食と農のテーマパーク」

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[野菜の学校]最終回のテーマは三重の伝統野菜。講師の谷山一郎さんは環境化学者です。「化学系研究者の視点」で語る、伊勢神宮のお話をうかがいながら日本人の食を考えました。伊勢神宮は、正式には「神宮」と称します。唯一無二、「The 神宮」ということでしょう。▲写真は、「朝御饌祭(あさみけさい)」の神職
 
谷山さんは、神宮は「農と食の一大テーマパーク」とおっしゃいます。そのわけは…
  • 神宮には内宮(ないくう)と外宮(げくう)があり、内宮には天照大御神(あまてらすおおみかみ)、外宮には豊受大御神(とようけのおおみかみ)という女神がまつられている。「とようけ」の「け」は、「食」を意味し、「食べもの」の神さま。
  • 外宮に豊受大御神がまつられるようになったわけは、雄略天皇の時代に天皇の夢枕に天照大御神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、御饌(みけ:食事)をつかさどる豊受大御神を近くに呼び寄せなさい」と言われた。そこで丹波から伊勢にお迎えしたという。
  • 豊受大御神は毎日二度、外宮内の食堂である御饌殿(みけでん)で、天照大御神ほかの神々と食事をされる。その食事は神宮の神職によって忌火屋殿(いんびやでん)と呼ばれる台所で調理され、献上される。これを「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」、「常典御饌(じょうてんみけ)」といい、約1500年間一日も休むことなく続けられている。
  • メニューは、ご飯、塩、水、かつお節、鯛などの干魚や鮮魚、海藻、野菜、果物、清酒という栄養バランスがとれたもので、季節によって変わる。
  • 神さまに毎日食事を差し上げ、その主な材料を自給自足しているのは日本では神宮だけ。お米は「神宮神田」で、野菜やくだものは「神宮御園」でつくられている。
  • 神宮では、朝夕の「大御饌祭」のほかに、新嘗祭をはじめ、神さまに食事を提供するさまざまな神事が行われる
  • 天照大神をおまつりする内宮と、豊受大神をおまつりする豊受大神宮外宮を中心に、両宮に所属する計14の別宮、摂社・計43、末社・計24、所管社・計34、別宮の所管社・計8を合わせて、125社と呼ばれる神宮所管の神社がある。その多くには、水田の潅漑水を司る神や農作物に被害を与える猪を退治する女神など、農業に関する祭神が祀られ、神事がおこなわれている。
スタッフ有志は事前に三重を取材。谷山さんが神宮をご案内くださいました。
▼神宮内に植えられている「トクラベ」という木
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神さまの食事、神饌を盛る土器にはトクラベを敷く。トクラベはハイノキ科の常緑樹。土器の上に敷くのは、土器がなかった時代の名残ではないか、という。
 
▼神宮神田
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伝承では倭姫命(やまとひめのみこと)が内宮を遷座したと同時に創設したとされ、2000年の歴史がある水田。

 
▼神宮御園
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神饌に供する野菜、くだものを約70種類以上栽培している菜園。栽培リストには、カリフラワー、ブロッコリー、サラダ菜、セミノールなど、比較的新しい野菜も入っている。
 
▼御塩浜(みしおはま)
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日本に唯一残る入浜式塩田。毎年7月から8月にかけての土用中に、約1週間かけて「かん水」をつくる作業が行われる。8月にこれを煮つめて荒塩をつくり、3月と10月に堅塩に焼き固めて、お供えやお清めの塩として使われる。
 
▽御塩殿神社
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塩田から約1kmのところにある御塩殿(みしおどの)神社。この神社の境内に、「かん水」から荒塩をつくる「御塩焼所」、荒塩を堅塩に焼き固める「御塩殿」がある。神社では、毎年10月5日には「御塩殿祭」がおこなわれる。
 
▽御塩汲入所
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御塩汲入所には、御塩浜から樽で運び込んだ「かん水」が入っている壺が、地中に埋められている。
 
▽御塩焼所
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御塩焼所の中央には粘土で作られているかまどがあり、ここで荒塩がつくられる。
 
▼神宮暦
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どの月にも「今月の農作業」「農作業のポイント」が載っており、神宮が農業を大事にしていることがわかる。
 
 

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