野菜の学校(4) なばな、なのはな、はなな
アブラナ科のさまざまな野菜が黄色い花をつけるこの季節、「なばな」「なのはな」「はなな」と、生産者、市場関係者、販売サイド、消費者などが、好き勝手に似たような名前を使うので、ちょっと混乱気味です。
「なばな」という呼び方は「三重なばな」が始めたもの、と教えてくれたのは、農研機構の石田正彦さん。「八百屋塾」という東京の八百屋さんの勉強会でのお話を中心に整理してみました。
▼なばな
- 「なばな」は、花蕾や花茎、葉を食べる菜類の流通上の通称で、「なばな」という植物は存在しない。
- なばなという名称は、もとは三重県でネーミングされたものだが、現在では全国区の野菜名
- なばなの多くは西洋ナタネ類、一部では在来ナタネも使われている。コマツナ、カブ、ハクサイ、チンゲンサイ、カラシナなどもなばなになり得る。
- 紙で束のように巻いてあるものを「花蕾タイプのなばな」、フィルムに入っているものを「茎葉タイプのなばな」と呼ぶことがあるという。
▼なのはな
- 当初はナタネ(アブラナ)の花を指していたが、現在では、アブラナ科アブラナ属の中で黄色い花が咲くものを指す。春先、山手線周辺で河川敷に咲いている黄色い花の多くはカラシナの花だが、一般には「なのはな」といわれる。
- キャベツや葉ぼたんも黄色い花を咲かせ、広義の意味の「なのはな」に入る。
- 「なのはな」は野菜としての意味で使われることもある。
- 「菜の花」は、千葉産、徳島産(いずれも和種ナタネ類)の商品名だが、流通上は「(花蕾タイプの)なばな」と呼ばれる。。
▼はなな
- 漢字で書くと「花菜」でエディブルフラワーのこと。
- 観賞用のアブラナの花という意味でも使われる。
- 「花菜」は「みやこの逸品 京野菜(和種ナタネ類)」のブランド名だが、流通上は「(茎葉タイプの)なばな」と呼ばれる。
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