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2016年3月14日 (月)

野菜の学校(8) 松阪赤菜

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[野菜の学校]3月のテーマは三重の伝統野菜。事前取材に出かけたスタッフ有志は、松阪西部営農振興センターで、思いがけなく「松阪赤菜」に会うことができました。

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▲写真は現地で撮影した「松阪赤菜」
 

取材スタッフを迎えてくれた「松阪赤菜」は最後の収穫。もう後はないというので、それをそのままいただいて宅急便で東京へ送り、大田市場に冷蔵保管をお願いしました。[野菜の学校]当日、箱を開けてみると、生きていました!でも、あの元気と美しさが失われてしまっていたのは、やむを得ないことでしょう。

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「松阪赤菜」について、整理してみました。
  • ルーツは滋賀の伝統野菜「日野菜」。「日野菜」は、約450年前とも約550年前ともいうが、近江蒲生郡(現滋賀県)の領主、蒲生貞秀が居城近くで見つけた野生のかぶ。これを松阪に伝えたのが、約400年前に松阪城を築いた貞秀の子孫。「日野菜」は、明治時代に品種改良されて今日の形になった。一方、「松阪赤菜」は手が加わっておらず、こちらのほうが原種に近いとされる。
  • 「松阪赤菜」の漬けものは、本居宣長の家事記録にも香のものとして登場する。
  • 「松阪赤菜」は地元で長く親しまれてきたが、約40年前に生産が途絶えた。復活させたのは、松阪市内の農家の女性グループ「紅(くれない)工房」。2001年、三重県科学技術振興センターに保存されていたタネを譲り受けて栽培を開始、現在の栽培面積は60アール、この地方を代表する野菜のひとつになっている。
  • 9月上旬から10月にかけてタネをまき、11月上旬から2月下旬まで収穫する。
  • 「松阪赤菜」は塩漬けや酢漬けに加工して販売されている。
▽「松阪赤菜」の酢漬け
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▽「伊勢日野菜」の塩漬け
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「日野菜」は「松阪赤菜」のルーツです。伊勢内宮前の「おかげ横丁」で売っていました。商品名には「塩漬け」とありますが、味は酢漬け。
 
「松阪赤菜」は、美(うま)し国「みえの伝統野菜」のひとつで、なかなかキビシイ選定の基準をクリアしています。
■美(うま)し国「みえの伝統野菜」選定基準
  • 生産量:生産量が確保でき、市場等に出荷されている
  • 歴史性:地域で50年以上前に栽培されている事実があり、現在も栽培している
  • 地域性:地域の祭事等での活用や地域に伝わる郷土食のレシピがある等地域において欠かせないものとなっている。
  • 商品価値:三重の農産物のイメージアップを醸成できるもので、県外等生産地域外の消費者にも評価されることが期待できる
  • 品種、品質:品種の純粋性が確保されている。あるいは、現在も伝統野菜としての特徴や一定以上の品質が確保されている

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