果樹楽園 うばふところ
右は園主の佐藤数愛さん。左は。この世界で知らぬ人はいない西洋なしフォーラム副実行委員長、佐藤和美さん。園内をご案内いただきました。
佐藤さんによると、ひとマスの間隔がだいたい決まっているから、何個ならせるかでアールあたりのトン数がわかるのだそうです。着果量と食味は反比例し、10アールあたり2.5トンくらいがいちばん食味が安定している、とのこと。
赤い西洋なしはほかにない魅力がある、と佐藤さんが力を入れている品種。1つの個体に果皮に関連する異なる遺伝子情報が入っている「キメラ」なので、果皮が赤ベタと縞模様になります。佐藤さんによると「赤の遺伝子が強いほど、ストレスで生長が悪くなる」。ということは縞模様のほうが有望?いま、旭町をはじめ山形県内あちこちでリーガル・レッド・コミスを栽培する動きが始まっているらしいので、そのうち東京でもお目にかかれるかもしれません。楽しみ。
- 佐藤和美さんがつくった、日本初の民間育種西洋なし。
- 中秋の名月のころが収穫適期なので「月味」と命名。食べごろは10月中旬。
- 2005年品種登録申請。
- 形は丸い。重量は平均400gくらい
- ジューシーでメルティングな果肉。香りはラ・フランスに似ている。
- 糖度は食べごろで15~16度と高く酸度はph3.8~4.0
- 熟すると果皮の色は黄色っぽく変化し 食べごろがわかりやすい
※以上、佐藤さんのお話とホームページから
以下は案内しながら話してくださったこと、あれこれ
- この果樹園は佐藤和美さんが5歳くらいのとき、60年くらい前に始めた。当時、ラ・フランスは交配樹として植えていた。
- 当時の苗木は、「ともだい」といって、たとえばバートレットのタネを蒔き、芽を出させて、接ぎ木した。その後「ヤマナシ台」がいいか、「マメナシ台」がいいか、などといわれるようになり、いまは「マメナシ」が使われている
- 「バートレットは作ってないの」という質問に答えて
バートレットの味は悪くないが、20代のときに価格が暴落した。農家が生産量を増やしたら食味が悪くなり値段が下がった。やっていけないのでさらに生産量を増やしたら、食味がまた悪くなった。という悪循環が繰り返されて、消費者に嫌われてしまった。 - ラ・フランスを売り出したころの話
最初に横浜の市場へ持っていって試食してもらった。当時は、西洋なしイコール・バートレットだったので、「西洋なし」と言うと食べてもらえない。だから「西洋なし」と言わず、「ラ・フランスですよ」と。すると「うまいな」ということになった。
そんな風にして、関東にやってきた「ラ・フランス」は、いまや西洋なしの代名詞です。時間があれば、もっといろんなお話が聞けたと思いますが、ここでランチの時間。見学はおしまいでした。
■果物楽園 うばふところ
〒999-3224
山形県上山市皆沢字水無沢1377-7
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
- ティラミスチョコレート(2020.07.21)
「果物(梨・りんごなど)」カテゴリの記事
- くだものの秋(2017.11.02)
- 新王と新美月(2016.10.03)
- 果樹楽園 うばふところ(2016.10.02)
- リーガル・レッド・コミス(2016.10.01)
- 西洋なしフォーラム「ジェイドスイート」(2016.09.30)
「青果イベント」カテゴリの記事
- ART+EATでTALk+EAT 伝統野菜はおもしろい!(2018.07.17)
- 産地見学<ゆうがお畑とかんぴょうむき>(2018.06.22)
- 「牧野野菜」の試食(2018.04.15)
- 「牧野野菜」の食べくらべ(2018.04.15)
- 「牧野野菜」のまめ-3 唐人豆(2018.04.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント