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2016年11月 3日 (木)

在来じゃがいもフェスタ-3 在来種の謎

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【伝統野菜プロジェクト】の第1回勉強会にやってきた在来じゃがいもたちは、16品種。どれも代々その地で作られてきました。それは「不思議なこと」と、講師の野口健先生はおっしゃいます。
 
というのは、よく知られているように、じゃがいもはウイルスに弱い。アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディの祖先が、祖国アイルランドから移民としてアメリカに渡ったのも、1845年に始まったじゃがいもの疫病による飢饉が原因でした。このじゃがいも飢饉が終息する1849年までに亡くなった人は100万人以上、150万人ともいいます。
 
現在、ウイルスによる被害を防ぐために、農家は、自分が栽培したいもからタネいもをとらず、毎年新しいタネいもを買って栽培します。そのタネいもは手間と時間をかけて作られています。大まかにいうと、まず国の原原種農場が原原種を栽培し、それを県の原種農場が増やし、そこからさらに採種組合などがタネいもを生産する、という3段階。アメリカやヨーロッパでもこのようなシステムと聞きました。
 
このようにふつうのじゃがいもは非常に注意深くタネいもを作っているのに、在来じゃがいもは前年のいもをタネいもにして、江戸時代から続いているのです。ウイルスはどうなっているのでしょう。原原種農場長だった野口先生にとって、驚くべき事実でした。この在来じゃがいもの謎を解き明かそうと、調査を始めたのだそうです。
 
野口先生のグループによる調査では、日本で確認されているじゃがいものウイルスは12種類あり、在来じゃがいもを調べてみると、すべてウイルスをもっていることがわかりました。それなのに、なぜちゃんと育つのか…。3つの可能性がある、というお話でした。
  1. 残っているのは、もともとウイルスに強い種類
  2. 感染しているウイルスは病状が軽い弱毒系統
  3. 弱毒系統のウイルスに感染しているので、強いウイルスは干渉して入れない
なるほど。ワクチン接種みたいな効果があるということなのかもしれません。
 
 

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