書写山圓教寺
ひょうごの在来種保存会「農に感謝の集い」に参加した3日目。いつもなら野菜を追いかけて、関係各位のお話を聞いたり畑へ行ったりして終わるのですが、1日余裕があったので、「たまには観光しよう」ということになりました。
観光なら姫路城、がお決まりですが、姫路駅の観光ガイドで「書写山」という山号のついたお寺を発見。あ、あの早口コトバの書写山!? 行ってみたい! 行こう! ということになりました。
ちなみに早口コトバは
書写山の社僧正 上方僧書写山 社僧の総名代 今日の奏者は書写じゃぞ書写じゃぞ
これ、むずかしいです。
早口コトバつながりという、ちょっと不謹慎な動機で行った書写山圓教寺ですが、とても気に入りました。山の中に、木造の大きな建造物群が雨風にさらされている。観光客に馴れておらず、といって孤高の高みから見下ろされる感じはなく、自然にスッと入っていける、静かな落ちついた気持ちになれる空間です。
いくつかの映画のロケに使われているそうです。そう、こんな空気のところ、ほかにあまりないでしょうね。
以下、パンフレットやホームページなどからまとめました。
- 圓教寺は960年(康保3)年、というと平安時代の中頃でしょうか、性空(しょうくう)上人が開いた、天台宗のお寺。
- 「西の比叡山」とも呼ばれる位の高いお寺。お坊さんの修行の道場としても栄えた。
- 西国三十三所の一つ。西国三十三所は近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音信仰の霊場で、ここを巡礼参拝すると、現世で犯した罪業が消滅し極楽往生できるとされる。日本で最も歴史がある巡礼行。
- 西国三十三観音をまつるお堂。
- 西国三十三所観音巡礼が広く庶民のあいだで行われるようになったのは、江戸時代。社会情勢や交通の不便な時代に、だれでも三十三観音にであえるように、各地に「うつし霊場」ができた。この「うつし霊場」をさらにミニチュア化したものが、この三十三所堂。なるほど、門に入る前にあり、階段を上らずにお詣りできる。
▼摩尼殿
- 長い階段を上っていったところにある舞台づくりの建造物。
- 天禄元年(970)創建。本尊は六臂如意輪観世音菩薩。
- 創建前、天人が桜樹を礼拝するのを見て、上人が根のある生木に観音像を刻んだ。岩山の中腹にそびえるのは、このためという。
▼階段上から下を見ると
▼大講堂-国の重要文化財
▼奥之院の開山堂(奥)と護法堂(開山堂の手前、右手2つのお堂)-国の重要文化財
- 室町中期の建物で、3つの建造物が、(前の庭から見ると)右から大講堂、食堂、常行堂とコの字型に並び、「三之堂」(みつのどう)と呼ばれる。
- 大講堂は圓教寺の本堂。お経の講義や論議が行われる学問と修行の場。
- 内部は、内・外陣に区切られており、内陣には釈迦三尊像が安置されている。
- 承安四年(1174)創建。本来は、修行僧の寝食のための建物。別名「長堂」と呼ばれる長さ約40mの2階建ては、ほかに類をみない。
- 本尊は僧形文殊菩薩で、後白河法皇の勅願で創建。
- 未完成のまま数百年放置されたが、1963(昭和38)年の解体修理で完成。
- 同じバスで来た観光客が1階で写経していた。2階にはお寺の宝ものを展示。弁慶が使ったという机もあった。
- ひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら本尊を回る常行三昧」をするための道場。
- 建物中央に張り出した舞台は、向かいの大講堂の釈迦三尊に舞楽を奉納するためのもの。
- 姫路城城主本多家の墓所で、廟屋五棟と本多忠刻らの墓碑が並んでいる。江戸初期~中期の廟屋の建築として県下でもほかに例がない。
- 大講堂の右に並ぶ5つの建物。食堂の2階から見ると、中国か韓国にあるのではないかと夢想する、ひなびた風景への憧れが胸いっぱいになりました。
- 奥に見える開山堂は、性空上人をまつるお堂で、書寫山一千年の歴史のシンボルとして灯明が燃え続け、朝夕欠かさず勤行がおこなわれている。現在の建物は江戸初期に建てられた。
- 開山堂の手前右に並ぶ2つのお堂は「護法堂」で、性空上人に付き添って仕えたという乙天(不動尊の化身)と若天(毘沙門天の化身)の二童子が゛まつられている。室町末期の神社建築。
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