在来きゅうりフェスタ
稲山先生のお話から
- きゅうりの原産地はインドで、ヒマラヤ山脈に自生している雑草が原種。日本には10世紀頃、中国経由で入ってきた
- 江戸時代初期は重要視されなかったが、ウリ類のなかで一番早くできる作物として栽培が奨励され、江戸っ子の「初物好き」もあいまって、江戸末期から明治にかけて全国的に栽培されるようになった
- 東京・砂町、大阪・今宮、京都・聖護院など、都市を中心に「早出し栽培」がおこなわれて、主要な作物としての地位を確立。地方特産品種が成立していく
- ごはんには漬けものが欠かせない。冬のだいこんに対する夏のきゅうりは、漬けものの定番になった
- ハウス栽培以前、1960年頃までは、早出し用として「半白群」「青節成群」、一般的な露地栽培では「華北系在来品種」が用いられていた
- 1975年頃に、きゅうりは東京卸売市場での取扱金額の10%前後を占め、トップ。1994年にトマトに入れ替わるまで、約20年間トップの座を守った
- いま栽培されている主な品種は、「華南群」と「華北群」の交雑・交配によって成立したもの
- 稲山先生は「“白黒戦争”を仕掛けたのは私」とおっしゃる。“白黒戦争”というのは、白イボ・黒イボ戦争のこと。1960年代の後半、高知の黒イボきゅうりが東京市場を席巻していた。先生は埼玉の試験場で白イボきゅうりを改良・育成し、埼玉産白イボで攻勢に出たという。その結果、1970年代に入ると産地間競争が激化した。では、いまどうなっているか、と東京都中央卸売市場のデータを見てみたら、昨2016年1年間の取扱実績は、金額、数量とも埼玉がナンバーワン!
- かつて、育種の素材は国産のきゅうりだった。当時は新しいきゅうりを見ると交配親が推測できたという。だが、きゅうりも「国際結婚」をするようになり、今では、先生にももうわからないそうだ
- 食品の輸入が始まったのは、きゅうりの漬けものからだろう。ブルームレスきゅうりは、果皮がかたく果肉との食感のバランスが悪い。また、漬けると色が悪くなるなど、漬けものには向かない。そこで日本のメーカーは中国で作リはじめたわけだ
いま、ふつうの八百屋さんやスーパーマーケットに並んでいるきゅうりは、産地が違ってもほとんど一種類。F1のブルームレスです。歯触りはパリパリしていますが、味や香りはあまり感じられません。
今回、こんなマニアックな勉強会にみなさんが興味を持ってくださったのは、そういう状況に、何かしら疑問というか、不満というか…、飽き足らないものを感じているからかもしれないな、と思いました。
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