きゅうり28種類!
今回の<在来きゅうりフェスタ>を開いて驚いたことは、在来のきゅうりが地方には意外に多く残っている、ということです。23種類も食べくらべると、何が何だかわからなくなる、ちゃんと比べられない、という意見も出ましたが、何よりも私たちのうれしい驚きを伝えたかった。来てくださった方も、まず並んでいる在来きゅうりの数に強い印象をもったのではないでしょうか。
▼食べくらべるには、きゅうりの種類が多すぎる!
いま、スーパーマーケットなどの店頭に並んでいるきゅうりは、きれいに揃っています。揃うのがあたりまえのように思っていますが、タネを育成している人たちと栽培農家の努力のたまもので、揃うように作られています。
市場には、きゅうりの長さ、重さ、かたちの出荷規格があって、それにあわないとランクが下がる…、ということは農家の収入が減ってしまいます。消費者が形のいいきゅうりを求めるからだ、とよく批判されますが、私たちが求めるきゅうりのサイズってそんなにシビアだったかしら、と思うほど、出荷規格は厳格です。
形が揃うほうが段ボール箱にたくさん入りますし、勝手気ままに曲がったきゅうりたちが箱のなかで自己主張すれば、傷みやすい。揃わなければ手間にもコストにも影響が大きいから、消費者の好みだけの問題じゃないことは明らかですけれど。
すぐそばの大手量販店にあるのは、産地や規格の違い、袋詰めかバラ売りかの違いはあっても、F1ブルームレスのみ。売り場には必要な商品だけあればいい、楽しさなんか必要ない、といわんばかりです。
これに比べると、近くのデパートの青果売り場には伝統野菜のコーナーもありますから、種類は多いほうではないでしょうか。季節によって並ぶきゅうりが違い、野菜売り場をみる楽しさがあります。
ふつうの野菜売り場には「F1ブルームレス」「四葉」「千葉産ブルーム(最近見かけない)」「曲がったミニきゅうりの袋詰め(ときどき見かける)」。伝統野菜コーナーによくあるのは「相模半白」、先日は沖縄の「モーウィ」があったような気がします。このコーナーに並ぶ野菜は旬の一時期しかないものが多く、よく変わるので、見逃していることがあります。
東京中央卸売市場におけるきゅうりの取扱高(金額ベース)は、1994年にトマトにトップの座を奪われるまで、約20年間、第1位だったのですが…。
プロジェクトメンバーのあいだで「これからきゅうりはどうなるだろうか」という話が出ました。トマトに比べて、きゅうりは種類が少なすぎる、食べ方のバリエーションも狭い、サラダに使う野菜のなかで、あまりにもフツーになってしまいランク下の感じ…など、明るい展望がなかなか出てきませんでした。
でもそこに、今回集まったような在来の品種が、何らかの役割を果たすことができるといいなぁ、と願っています。
でもそこに、今回集まったような在来の品種が、何らかの役割を果たすことができるといいなぁ、と願っています。
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