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2017年9月 6日 (水)

高知「牧野野菜」の在来きゅうり

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<在来きゅうりフェスタ>に「牧野野菜」のきゅうりたちがやってきました。

2016年1月、高知の伝統野菜を勉強したとき、「牧野野菜」という貴重な野菜の復活プロジェクトが始まっていることを知りました。「牧野野菜」とは、植物学者牧野富太郎博士が同郷の弟子、竹田功氏に集めさせた、土佐の在来野菜です。竹田功氏の子息、順一氏からそのタネを預けられた高知市の生産者熊澤秀治さんは、仲間を募って“Team Makino”という復活プロジェクトをスタートさせ、タネの更新、栽培をしていると聞いています。

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1か月半くらい前に催された、高知野菜の食事会で同じテーブルだったのが、江戸東京野菜コンシェルジュ協会の上原恭子さん。今回の<在来きゅうりフェスタ>のことを話したところ、「高知の在来きゅうりを栽培している人を知ってる!」と、その場で、きゅうりの生産者岡崎秀仁さんに電話して、つないでくれました。
岡崎さんは、5種類くらいの在来きゅうりを作っているけれど、なかには弱いのがあるから当日送れるのは少なくなる、とのこと。そのとき頭の中で「牧野野菜」とはぜんぜんつながらず、「へーぇ、高知にはそんなにいろんな在来きゅうりが残っているんだ」、とビックリしたり、嬉しくなったりしながら、お話を聞いていました。
 
その後、上原さんに届いた高知の在来きゅうりを分けていただいて、写真を撮ったり試食しているうちに、「あっ、これ、もしかすると牧野野菜だ!」と思いつきました。で、[野菜の学校]のときの資料を見てみたら、大当たり!!

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[野菜の学校]に、初めて牧野野菜がやってきたのは1月だったので、「潮江菜」をはじめ、かぶやだいこん、高菜をイメージしていましたが、夏野菜があることは不思議ではありません。でも、こんなに立派に復活しているなんてスゴいことです。これは、“Team Makino”という取り組みのかたちの実効性を示していると思います。
 
▽大豊在来きゅうり
高知には「大豊」という地名があります。そこで採集されたタネと考えられます。

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▽佐川在来きゅうり
「佐川」も高知の地名。これもタネを採集した地名をつけたものでしょう。

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▽大正在来
「大正」もタネ採集地の地名と思われます。

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▽土佐在来きゅうり
そのほかの地名と比べて広い、土佐です。

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▽山内家伝来きゅうり
牧野野菜には、「山内一豊の妻」で知られた山内家伝来のタネのシリーズがあります。山内一豊は尾張生まれ。豊臣傘下の小大名でしたが、関ヶ原の戦いのとき徳川方について勝利をもたらし、その軍功によって土佐国9万8千石が与えられて土佐藩主になりました。このとき尾張から土佐へ持ち込んだ野菜たちのタネが「山内家伝来」です。

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届いたのは、見た目から個性豊かな5種類。今回、ちゃんと食べくらべる余裕はなかったのですが、事前に食べた印象は、味も、パリパリ感も、香りも、もちろんみんな違いました。
 
【伝統野菜プロジェクト】では、来年1月末か2月初旬に“Team Makino”の熊澤秀治代表にいらしていただき、「牧野野菜」をテーマにした勉強会を開く予定です。どうぞお楽しみに。
 
 
 

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