牧野富太郎博士の贈りもの「牧野野菜」
牧野富太郎博士は、土佐出身の植物学者。以下は、パンフレット「牧野植物園」からまとめた、牧野博士の略歴です。
- 1862年4月24日 現在の高知県高岡郡佐川町に生まれる。
- 22歳で上京、黎明期の東京大学理学部植物学教室で植物分類学に打ち込む。
- 1887年、友人と「植物学雑誌」創刊。ここに共著で記載したヤマトグサは国内初の新種発表。
- 94年の生涯において蒐集した標本は約40万枚、新種・新品種など約1500種類以上の植物を命名。
- 1940年、「牧野植物図鑑」刊行。
熊澤さんは「牧野富太郎博士は、高知県の人間にとってはスーパースター。私は坂本龍馬よりエライと思う」と言います。その博士の名前がついた「牧野野菜」とは…。
- 牧野博士は、戦前「東京植物同好会」という会(現在の「牧野植物同好会」)を設立、運営していた。その会員に高知出身の大学生、竹田功さんがいた。竹田さんは、戦後、体調をくずして高知に帰ることになった。そのとき、牧野博士から「キミは高知に帰ったら在来野菜を調査して保存しなさい」と言われ、地元の農業高校に勤めながら、調査・収集を行った。
- 牧野博士が調査・収集を指示した、土佐の在来野菜のタネと熊澤さんがめぐりあったのは2014年8月。高知新聞に、熊澤さんの農業のスタイルがかっこいい、という大きな記事が出た。これがきっかけとなり竹田功さんの子息、竹田順一さんからメールが届いた。そこからとんとん拍子に話が進み、タネがやってくることになった。
- 竹田功さんが集めた在来野菜はもっとあったらしいが、発芽しないものも多く、熊澤さんのところに届いたのは、上記にある約50種。このコレクションを「牧野野菜」と呼ぶことに決めた。後生に牧野博士を伝えていくためにもいい名前だ。
- やってきた約50種のタネ。熊澤さんは「ひとりではなんともならんぞ」と友人関係に声をかけ、グループが生まれた。高知県からもサポートされることになり、グループ名が必要になった。そこで“Team Makino”が誕生した。
- 残念なのは、にんにくときゅうりの朝鮮伝来、手亡豆。この3つは、蒔いたが発芽しなかった。
- 「山内家伝来」「朝鮮伝来」「伊達家伝来」という名前は、土佐に伝わった経緯を示しているものと考えられる。牧野野菜それぞれに物語がある。
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