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2018年3月 2日 (金)

「牧野野菜」が紡ぐ物語 ②山内家伝来野菜-第2話~第4話

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2月3日(土)に開かれた【伝統野菜プロジェクト】主催のセミナー「牧野富太郎博士の贈りもの-土佐によみがえる牧野野菜」。講師は、生産者グループ“Team Makino”の代表、熊澤秀治さんにお願いしました。次のお話は、江戸時代、山内一豊が土佐の藩主になったことから、山内家のふるさと尾張の野菜が土佐に伝わった、とされる「山内家伝来野菜」の続きです。

 
■第2話 もち菜
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江戸時代、土佐の藩主になった山内一豊に伴ってやってきた尾張の野菜、そのなかに、現在は愛知の伝統野菜「もち菜」、またの名「正月菜」があります。
この「もち菜」は、いまも愛知のお雑煮に使われており、おすましのなかに「もち菜」と切り餅だけ、というシンプルさ。宮尾登美子さんのエッセー「土佐のぞう煮」とほぼ同じです。違うのは材料だけ。「もち菜」が「潮江菜」になり、ダシは「鏡川でとれるはぜ」ではなく「かつお節(+昆布)」。おそらく、この雑煮も尾張から持ち込まれたものだろう、と熊澤さん。
 
土佐の「もち菜」は、草丈30~60cmと愛知の「もち菜」に比べてそうとう大きい。正月菜としての座を「潮江菜」と競わなければならないとすると、なかなかキビシイものがありそうです。でも、「殿様といっしょにやってきた野菜」としてしっかり残していきたいとのことです。
 
■第3話 きゅうり
▼山内家伝来きゅうり
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▼在来きゅうりフェスタにやってきた「牧野野菜」のきゅうりたち3669

左から「土佐在来」「大正在来」「佐川在来」「大豊在来」「山内家伝来」。5種類、みんな味が違います。このほかに「朝鮮伝来」というきゅうりもあるそうですが、もう終わっていたのか、やってきませんでした。

私たち【伝統野菜プロジェクト】が昨2017年夏に開いた「在来きゅうりフェスタ」。そこに「牧野野菜」のきゅうりが5点並びました。そのうちの一つが「山内家伝来きゅうり」です。
高知には在来きゅうりがこんなに残っている!と感激しました。そのとき熊澤さんにうかがったのですが、高知のx山間部には、在来のきゅうりがいまも数多く残されているのだそうです。1軒に1種類くらい、とか。すごいことです。
 
熊澤さんは、「牧野野菜」コレクションとして残されたタネは、どんな基準で選ばれたのか、今後調べたい、と言います。牧野富太郎博士の指示があったのか。遺伝的な条件なのか。それとも、調査・収集した牧野門下生の竹田功さんのお考えだったのか…。
このことは私たち【伝統野菜プロジェクト】の中でもよく話題になりました。ぜひ知りたいと思います。
 
■第4話 なす
「牧野野菜」のなすには、まだ、お目にかかっていません。熊澤さんのお話をまとめてみました。
  • 山内家が土佐に持ち込んだとされるなす
  • 宮崎の伝統野菜「佐土原なす」によく似ている。ほぼ同じものではないか。いちどちゃんと比較したい。
  • 食味が大変よく、特に焼きなすは絶品
  • 高温期には着果が悪く、気温が30℃を下回るようになるとたくさん収穫できる
このなすにも、いつか会えるといいなぁ。
 
 

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