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2018年4月14日 (土)

「牧野野菜」のまめ-2 八升豆

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「牧野野菜」の「牧野」は植物学者牧野富太郎博士の名で、博士が生まれ育った土佐で古くから作られてきた野菜です。そのリストの約4割を占める豆のなかでも個性的な「八升豆」。【伝統野菜プロジェクト】が開いたセミナー「牧野野菜」に、高知農業高校から、八升豆のクッキーとともに届きました。当日のお話は、生産者グループ“Team Makino”の熊澤秀治代表にお願いしました。

▼2015年12月にお邪魔した村田農園の八升豆
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以下は、熊澤さんのお話から
  • 八升豆はムクナ豆(英名velvet bean)とも呼ばれ、沖縄や四国など西日本各地で栽培され、煮豆、餡、きんとんなどに利用されていた。江戸時代末期に絶滅したとされていたが、日本各地で復活しているようだ。
  • 「八升豆」という名前の由来は、一株から八升穫れるからという。八升かどうかわからないが、豊産種であることは事実。最初ビニールハウスに3本植えた。大きくなるとつるが屋根を這っていく。花が咲く頃はまだいいが、鞘がなり始めるとやたらに実をつけて、どんどん重くなり、ついにはハウスがつぶれそうになったので、つっかえ棒をした。
  • 鞘は熟してくると真っ黒になり、ある日パカーンと割れる。豆は大きい。
  • つるが5メートルから6メートルくらいに伸びるので、夏の遮光にすごくいい。
  • 古くから薬用植物として血行促進、解熱、強壮などに用いたといわれている。八升豆を食べていた人たちは元気で子だくさん。「ムクナ豆」という名前で健康食品として売られている。
  • 重要なのはL-DOPAという成分。豆には乾燥重量の5%も含まれている。L-DOPAはパーキンソン病の治療薬として用いられている。
  • 牧野コレクションの「八升豆」は土佐清水で栽培されていたようだが、現地ではだれも知らなかった。
八升豆のL-DOPAについて探していたら、東京農工大学の藤井義晴教授の記事「八升豆の復活と利用」を見つけました。下記に、熊澤さんのお話と重なっていないところを、一部引用します。
  • 原産地はヒマラヤ南斜面(現在のネパール)。ブータン~タイ・ベトナム北部・中国南部~台湾~日本にいたる照葉樹林帯に分布。
  • 英名は「ベルベットビーン」、台湾では「富貴豆」、日本でも「おしゃらくまめ」「虎爪豆」という別名があった。
  • 「ムクナ」は、学名に基づいたブラジルでの呼び名。
  • インドネシアや台湾、中国では、八升豆を用いて、発酵食品や豆腐を作るという。
  • 八升豆から作った味噌や納豆には強い抗酸化能がある。
  • チッソ含有率はレンゲの1.5~2倍もあり、すぐれた緑肥になる。台湾では、土壌浸食防止と雑草防除の目的で栽培されている。ブラジルでは、あらゆる雑草を駆除するとされ、ナイジェリアでは、硬化した土壌で八升豆を1年間栽培したところ、再び耕作可能になったという。
藤井教授によると「八升豆は完全に作物化されていない、発達途上の豆」だそうですが、熊澤さんがおっしゃるように、これから「面白いものになっていきそう」です。
 
※牧野野菜については「牧野富太郎博士の贈りもの-牧野野菜」をごらんください。
 
 
 

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