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2019年5月 1日 (水)

八百善江戸東京ツアー 「玉の井」

「大江戸味ごよみ2019」に登場する江戸の料亭「八百善」ゆかりの土地を歩く「八百善江戸東京ツアー」。前回に続き、向島がテーマです。永井荷風ゆかりの玉の井を歩き、向島百花園を散策、園内のランチをいただき、ちょっと歩いてデザートは長命寺の桜もち、最後は見囲神社というコースでした。

▼東向島駅前集合。案内板で道順を確認し、歩き始めました。
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「東向島」という駅名は2度変更され、これが3度目の名前です。1902(明治35)年に開設された当初は「白鬚駅」。その後一時閉鎖され、関東大震災(1923(大正12)年)後に花街が発展したために営業を再開したときは「玉ノ井駅」。1988(昭和63)年に住居表示の変更にあわせて、惜しまれながら「東向島駅」に改称されました。 

玉の井は、Wikipediaによると、「戦前から1958年(昭和33年)の売春防止法施行まで、旧東京市向島区寺島町(現在の東京都墨田区東向島五丁目、東向島六丁目、墨田三丁目)に存在した私娼街である。永井荷風の小説『東綺譚』、滝田ゆうの漫画『寺島町奇譚』の舞台として知られる」ところです。

▼東向島駅前で発見、寺島なすの船
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▼寺島なす
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「寺島なす」は江戸東京野菜に認定されています。『新編武蔵風土記稿(文政11-1828年)』に「形は小なれども早生なすと呼び賞美す」とあり、ほかのなすよりも早く出まわるので人気がありました。品種は「蔓細千成(つるぼそせんなり)」。かつて寺島村を中心に栽培されていたので、復活した今も「寺島なす」と呼ばれます。

▼古い家も残っている
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錆びたトタン板の家を見て、いかにもと思うのは、「玉の井」という名前に感応しすぎかもしれません。

▼願満稲荷社
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細い路地を入っていくと、お稲荷さんとお地蔵さまと日蓮聖人の石碑が同居している、小さい小さい不思議な空間。

満願稲荷神社という新しい石柱。でも、張り紙によるとここは「玉の井山啓運閣」という日蓮宗のお寺でもあるらしい。入り口には「啓運閣教会」という案内もある。
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▼「縁起」と題された案内
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「当山は玉の井啓運閣と称し、……(略)……三本山を歴任された釈日達によって開創された……(略)……髢(かもじ)職佐野松之助 小林愛之助(改進亭) 川上忠吉(ます川屋)氏等が私財を投じ、京成バスの前身の一つ墨田乗合バスの宿舎を買い取り、これを改築し、啓運閣を会同したものである。玉の井で死んだ遊女や赤子の霊が毎日供養され玉の井の歴史を今に残している。」

▼永井荷風が描いた地図
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案内板に「永井荷風が昭和11年に8か月がかりで実地くまなく歩き回り作った地図である。石州半紙一枚に毛筆で丹念に書かれている。東武電車玉の井駅付近の略図」と書かれていました。

異次元のような不思議なところから細い路地を抜けて通りに戻ると、街歩きのリーダーが男性と話していました。子犬を連れ、散歩中らしい。玉の井で生まれ育ち、子どもの頃は迷路のような路地で鬼ごっこをしたといいます。上の「縁起」にもあるように、ここは「投げ込み寺だった」と聞き、何も言えませんでした。

▼お歯黒どぶ、今は暗渠
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犬を連れた地元の方が案内してくれた。この道の曲がり具合からどぶだったことがわかる、と「ブラタモ」みたいなやりとり。


▼永井荷風がなじんだおゆきさんが居た家は、マンションの向い(?)に位置していたそうです。
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これも地元の方の案内で。こぎれいなマンションに変わり、何ごともなかったようです。


▼奥の方にみえる暖簾の店に、時折、荷風の姿があったという
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朝の光の中で「私娼街」だった頃から変わっていないと思われる家や神社を「観光」するのはちょっと居心地が悪かったのですが、話し好きな地元の方に出会い、気持ちがやわらいでいきました。

明るく新しい家やマンションが消し去った過去の痕跡は細い曲がりくねった路地に残っていて、写真でしか知らないよそ者は、思い出話を聞きながら、ぼんやりと見ているばかりです。

 

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