大江戸味ごよみ 5月22日(水) 江戸のきゅうり
当時、きゅうりは非常に苦く、「下品の瓜(農業全書)」とされて、初物好きの江戸っ子にも「初物の内からきふりはばかにされ」ていました。その後、改良されて人気の野菜になっていきます。
「日本ではごはんが主食で、漬けものは欠かせない。冬のだいこん、白菜、夏のきゅうり、なすは漬けものの素材として重要な野菜」とおっしゃるのは、2017年7月に【伝統野菜プロジェクト】が開いた「在来きゅうりフェスタ」でお話をしてくださった稲山光男さん。稲山さんをはじめとする育種にたずさわる研究者が改良・開発したきゅうりは、市場を席巻していきます。
1975(昭和50)年頃になると、きゅうりは東京市場における取扱金額の10%を占めて、取扱金額ベースで市場ナンバーワン。1994年にトマトに取って代わられるまでの20年間は、トップの座を守り続けました。今もトマトに次ぐ第2位。サラダにかせない野菜として一年中出回っています。
写真下は「馬込半白(馬込半白節成)」、上は「高井戸半白」。2品種とも半分白い「半白(はんじろ)」です。
馬込村(現・大田区)で作られていたきゅうりで、「大井胡瓜とうりを掛け合わせたもの。明治30(1897)年頃から改良を重ねて節になる形になったのは、明治37(1904)~38(05)年頃(JA東京中央会)」。「節成」は、節ごとに花が咲き実がなることをいいます。
旧豊多摩郡高井戸村は江戸時代に開拓された古くからの野菜の産地。その名がついた「高井戸半白」は、「馬込半白節成と、豊島枝成の中間的品種で、昭和30年代まで盛んに栽培されていた(JA東京中央会)」といいます。
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