大江戸味ごよみ 7月13(土)は本田(ほんでん)うり
筑摩書房刊の日めくりカレンダー『大江戸味ごよみ2019』に、伝統野菜プロジェクトとして書いたコラム。7月13日(土)のテーマは「本田うり」です。
「金まくわ」に対して「銀」と呼ばれる「本田(ほんでん)うり」。緑色の果皮に縞のある大ぶりのうりだ。甘みは少ないが日持ちがよく、明和8年(1771)刊『評判瓜のつる』にもランクインしている。当時の栽培地は、本田筋と呼ばれる地域(葛飾区の中川流域)。長く不明だったが、2009年に足立区の農家に残っていたことがわかり、「江戸東京野菜」の一つに認定された。
江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂先生が2009年8月10日のブログで「発見!江戸東京野菜の本田うりが足立区で栽培されていた」と発表してから10年近くになります。その「本田うり」を栽培している足立区興野の内田さんをたずねました。
内田家は本来お花を作る花き農家で、「本田うり」は自家用に作っていたのだそうです。戦前から栽培されていましたが、しばらく中断した時期があり、内田和子さんのおかあさんが近所のおばあさんからタネを譲り受けて再開しました。自分たちは「まくわうり」と呼んでいて「本田うり」とは知らなかった、と和子さん。初夏から晩夏まで4回に分けて栽培しており、おじゃましたのは第一作目の収穫が始まったときでした。
▼畑から見た内田さん宅
豊かな緑の向こうにビルが見えて、都市のなかの農園なんだと実感します。あちこちに花が咲いていました。
▼内田宏之さん・和子さんご夫妻
宏之さんは、おつとめをリタイア後に農業を始めたと聞きました。
▼本田うり(銀まくわ)第一作目 ※ただいま収穫中
葉が枯れて、その下には大きな「本田うり」がゴロゴロ寝ています。収穫期間はたった4~5日間とか。
▼本田うり(銀まくわ)第二作目
もうほとんどオトナの「本田うり」が姿を現しました。が、葉はまだ青あおとしげっています。収穫は7月末から8月上旬の予定。
▼本田うり(銀まくわ)第三作目
うりの姿はまだ葉のかげに隠れています。黄色いのはお手製の虫取りボトルです。ウリハムシ、アザミウマなどの虫の攻撃には、一つ一つ人間の手で取りのぞくプリミティブなやり方、と和子さん。
▼本田うり(銀まくわ)第四作目
本葉が育ち始めていました。2本ずつ植えて最終的には1本にします。第四作目は、うまく行けば9月頃まで出せるかもしれない、とのことです。
▼本田うり
「本田うり」は「金まくわ」と対にして「銀まくわ」と呼ばれますが、熟すると銀白色にみえるから、ともいいます。
当日分けていただいた「本田うり」は、1910グラムありました。切ってみるとまだちょっと若かったようですが、なめらかな食感、さっぱりした品のいい甘さと香りをそのままいただいたり、きゅうりとあえものにしたりして楽しみました。
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