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2019年10月19日 (土)

大江戸味ごよみ 10月19日(土)べったら市

筑摩書房刊の日めくりカレンダー『大江戸味ごよみ2019』に、伝統野菜プロジェクトとして書いたコラム。10月19日(土)のテーマは、べったら市とえびす講です。
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毎年10月19日・20日、大伝馬町宝田恵比寿神社を中心に「日本橋恵比須講べったら市」が開かれ、大根の浅漬け「べったら」を売る露店が並ぶ。起源は江戸中期。恵比須講の供えものを売る市に、近隣の農家が作った大根を飴と麹で加工して出したのがはじまりとか。べったらは、15代将軍慶喜も好んだという。恵比須講が終わると、いよいよ本格的な冬がやってくる。

東京日本橋、宝田恵比寿神社のえびす講のときに、参道にべったら漬けを売る店が並ぶ、べったら市。えびす講は、神無月に、神さまが出雲に出かけてしまった留守を守る恵比寿さまに感謝し、商売繁盛、五穀豊穣を祈るお祭りです。宝田恵比寿神社のえびす講参道でべったら市が始まったのは、江戸中期。守貞漫稿「近世風俗志巻之二十七(夏冬)」(1800年)、「十月十九日夜大伝馬町の腐市」の項に「浅漬け大根を売る」という記述があり、この頃とされます。

「えびす講」は冬の季語です。

振売の雁あはれなりゑびす講 芭蕉

元禄6年10月20日(旧暦ですが) 、芭蕉がえびす講の日に詠んだ句。野坡、孤屋、利牛という蕉門の俳人たちと巻いた有名な歌仙の発句です。現れるのは、賑やかなえびす講の通りを雁を売り歩く貧しい行商人の姿。『炭俵』に収録されています。この句が詠まれた元禄6年は1693年、深川で芭蕉が江戸の商人たちと即興を楽しんだのは、「べったら市」が始まるだいぶ前のことでした。

▼宝田恵比寿神社はこの提灯が目印
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▼にいたか屋の露店
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べったら漬けに使われただいこんは、大竹道茂先生のブログによると夏だいこんの「志村みの早生」。それに、米を原料とした麹や砂糖を使うのですから、ぬか漬けよりもずいぶん上等な食べものだったわけです。
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写真は板橋産の江戸東京野菜「志村みの早生」。愛知には「美濃早生だいこん」というよく似た名前のだいこんがあるが、別物らしい。

 

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