のらぼう菜と仲間たち
のらぼう菜をご存じですか。一度食べたら忘れられない豊かな味わい…。そのラフな姿からは思いもよらない魅力のある、早春の野菜です。のらぼう菜の原種は、江戸時代にオランダの交易船によってジャワを経由して伝えられた「闍婆菜」(じゃばな)である、という説があります。幕府が、救荒作物として江戸近郊の天領の村々に配布し、天明、天保の大飢饉の際、人々を飢餓から救ったといいます。
現在、そのような言い伝えのある系統が、神奈川県、東京都、埼玉県に、それぞれの伝統野菜として残されています。この三つの地域の「のらぼう菜・のらぼう」を揃えてみようと企画しました。
のらぼう菜はアブラナ科アブラナ属のセイヨウアブラナの一種。アブラナ科にはたくさんの仲間がいて、日本だけでなくアジアや欧米でも、古くからなじみのある野菜です。
そこで今回は、この季節に茎葉を食するアブラナ属の仲間たちも集める計画です。いま候補に挙がっているのは、栃木のかき菜、福島の茎立ち菜、石川の中島菜、滋賀の鮎河菜(あいがな)群馬の宮内菜、三重の三重なばな…。イタリアのチーマ・ディ・ラーパやF1品種も加える予定です。お楽しみに。
講師はアブラナ科ファミリーについての第一人者石田正彦さんにお願いしました。もちろん、毎回好評の食べくらべと試食も充実。どうぞふるってご参加ください。
※気候条件等により計画通りに揃わない場合はご容赦ください。
■講師 石田正彦氏(いしだまさひこ)氏
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構企画戦略本部経営戦略総括課勤務。農学博士。ナタネ、ダイコンの品種改良に携わり、2017年にはダイコン特有のにおいや黄変の元となるグルコラファサチンを含まない品種「悠白」「サラホワイト」を世界に先駆けて開発。著書に農山漁村文化協会刊『ナタネの絵本』ほか。
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