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2020年6月25日 (木)

伊吹大根のぬか漬け

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滋賀の伝統野菜「伊吹大根」のぬか漬けをいただきました。送ってくださったのは、野菜の学校「日本の伝統野菜・地方野菜講座」、2011年12月「滋賀の伝統野菜」の講師としてご登壇くださった長朔男先生。もちろんご自宅で漬けたものです。([野菜の学校]についてはこちらをごらんください)

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お手紙によると、「伊吹大根」のぬか漬けは、「塩、米糠と吊し柿をつくったときに乾燥させておいた剥皮少々で漬け込んだ昔ながらの漬け方」だそうです。

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糠をさっと落としていただきました。伊吹大根は、辛味大根の種類ですが、糠漬けにすると辛味はありません。「昔ながらの」とおっしゃるだけあって、塩分は高く、肉質が緻密でしっかりとしていてかたい。なによりも印象的なのは、複雑な深い香りです。

たくあんのにおいは、「臭い」と書くくらい強く特徴的です。たくあんが入った荷物を持って電車に乗ると、まわりが気になります。近年の漬けもの界でのたくあんの地位低下はこのにおいのせいである、と、においをつくりだしている微生物のはたらきを弱める酵母を使って、においを抑えるたくあんの製造方法が研究されているそうです。

私がいちばんよく食べるのは、漬けもの屋さんで買う、和風ピクルスのようなだいこんの淺漬。それから、お寿司屋さんで「お新香、切って」と、おつまみに切ってもらう、しなしなによく干してあって、お日さまのにおいがするような、自然な甘みのたくあん。去年は、友人から練馬大根の自家製たくあんをもらいました。塩味がやや強く、ポリポリ音がしました。

発酵した漬けものには、微生物が関与してつくりだす独特な風味や香りがあります。だいこんがもっている酵素や、漬けられた環境に棲んでいる微生物も関係するでしょう。多種多様な菌が複雑に関わりあって、独特の風味豊かな漬けものができあがるのですから、味と香りのバラエティは、たくあんの数だけあるわけです。いただいた伊吹大根のぬか漬けの香りは不思議に懐かしくて、好き。

 

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