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2020年8月 5日 (水)

パプリカペースト「アイバル」

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古くからの友人にいただいた、セルビア産パプリカのペースト「アイバル」です。ウィキペディアによると「アイバルはバルカン諸国の食文化で用いられる調味料の一種」。このままパンにつけて食べてもいいし、パプリカはナス科ですから、同じナス科のトマトやなすと相性よく、いろいろな料理に使えそうです。

さて、「バルカン諸国の名前を挙げよ」という問題が出たら、何点取れるでしょう。バルカン半島内に全領土が入っているのは、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、コソボ、北マケドニア、モンテネグロ。大部分または一部がバルカン半島内にあるのはクロアチア、ギリシャ、イタリア、ルーマニア、セルビア、スロベニア、トルコです。
調べてみると、各国に「アイバル」そのものやよく似た食べものがあり、トルコのパプリカペーストは「ビベルサルチャ」と呼ばれます。

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いただいた「アイパル」は甘口と辛口。パスタやリゾット、焼いた肉や魚のソース、サンドイッチのベースト、ディップなどに使えるほか、スープや煮ものの風味づけにもよさそうです。

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「アイバル」は、パプリカを焼いて薄皮をむき、刻んで煮て、塩やにんにくなどで調味したもの。晩夏から初秋にかけて作られる、冬のための保存食です。10kgのパプリカから出来上がるのは3kgのアイバルとか。およそ三分の一に凝縮されるわけです。

「アイバル」の語源はトルコ語で「塩漬けの魚卵」、つまり「キャビア」。それがパプリカペーストを指すようになったのは、19世紀末、労働争議のためキャビア生産が不安定になり、ベオグラードのレストランでアイバルを「赤キャビア」「セルビアのキャビア」などと呼んで、キャビアの代用品として出すようになったというのですが…。キャビアって、こんな味したっけ?? 雁の肉に似せて「がんもどき」と呼ぶようなものかしら。こういうことって世界中にあるんだなぁ、と思いました。

コピー食品の傑作「かにかま」」、ビールそっくりの「発泡酒」、バターの代用「マーガリン、大豆ミート、話題の台湾素食、本場中国から仏教とともにやってきた日本の精進料理などなど、オリジナルがあってそれに似せて作った、というより、もはやモトの食品を思い起こさせない、量と質、力をもっています。いまや「アイバル」はパプリカペーストで、「キャビア」が語源であることは、忘れられているかもしれません。
宗教上のタブー、ベジタリアン、ヴィーガン、食品アレルギー、食事療法、その他さまざまな理由で食を制限している人たちがいて、その人たちに向けた創意工夫のバラエティがある。ヒトにとって「食」が特別なものであることを、あらためて思います。

 

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