« SEED VOL.18  | トップページ | こうち食べる通信08 »

2021年2月 4日 (木)

真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す

0167
ネットで紹介されていた『真室川伝承野菜図鑑』を入手したいと思い、真室川町役場に連絡してみました。数日後ポストに入っていた封筒には、『雪国の暮らし』という冊子も同封されていました。ありがとうございます。

1_20210204210501
『真室川伝承野菜図鑑』は、真室川町地域おこし協力隊の佐藤芽以さんが、伝承野菜普及活動の一環で制作されたもので、タネを守り伝えてきた農家の姿にフォーカスしています。取りあげられている野菜は次の7種類。

  • 弥四郎ささぎ
  • 雪割菜
  • 赤にんにく
  • 勘次郎胡
  • 今朝治郎胡瓜
  • 甚五右ヱ門芋
  • とっくりかぶ

印象的なのは、この『図鑑』に若い生産者さんたちが登場していることです。日本農業の高齢化問題、なかでも伝統野菜・伝承野菜はシビアです。でも、真室川町にでは、伝承野菜の可能性を真剣に考えている若い人たちがいる…、 心強いです。

真室川町は、山形県北東部にある最上地域の最北端です。山形県はこの最上地域に伝わる野菜のうち、次の基準にあてはまるものを「最上伝承野菜」と認定しています。

  1. 最上地域特有でおおむね1945(昭和20)年以前から存在していた野菜・豆類など
  2. 現在も最上地域で栽培され、自家採種しているもの

この基準を満たしている「最上伝承野菜」は現在33種。そのうちの13種が真室川町の野菜で、最上8市町村で最も数が多い、といいます。

「真室川伝承野菜」は、山形県が認定する「最上伝承野菜」13種に加え、町内で継続的に自家採種している野菜を町が独自に認定し計17種。
自家用につくられてきた作物は、やがて人知れず途絶えてしまいます。その存在を知らせ、多くの食卓にのぼることによってのみ、伝え続けることができるものです。
そこで、伝承野菜を換金作物に育てようとする活動が始まりました。2017年には伝承野菜を栽培する農家さん約20名による「真室川伝承野菜の会」が発足。タネを管理して遺伝的な品質を維持する、栽培技術を伝承する、出荷規格・最低出荷価格の統一などによって、「ブランド価値の向上を目指す」としています。
伝統野菜が通常のマーケットを生き抜くにはさまざまな困難がともないますが、若い人たちが取り組んでいること、天童市には最上伝承野菜を使うフレンチレストランもあることなど、広がる可能性があり、成功を祈っています。

|

« SEED VOL.18  | トップページ | こうち食べる通信08 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

伝統野菜・地方野菜」カテゴリの記事

伝統野菜プロジェクト」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。